
あえて名前も出さないが、上物古紙の発生が減る中で再生品からパルプ品への生産シフトは賢明な判断に見えた。また段原紙マシンの転抄にしても、中国の古紙輸入禁止でダブついた古紙を有効利用するという点では公算があるように思えた。だが、パルプが高騰し、段ボール古紙の不足も続くと、当初の想定が狂ってくる。それほど最近の原料事情は激しく変化している。
▼大きなトレンドでみれば、日本の古紙市場は縮小フェーズに入った。縮小下での新たな投資は、製品販売か原料調達の場面で歪みが生じる。現に、増産した段原紙は安く海外に売らねばならず、足りない古紙は輸出市況より安値で国内メーカーに納入しなければならなくなった。どの原料をどのくらい優先的に国内で循環させていくのか?そんなグランドデザインを欠けば、古紙問屋と製紙メーカーのかつての紐帯も薄れていく。
▼円ドル相場が150円台に乗せ、年初比で34円もの円安が進んだ。エネルギーコストの上昇はあるが、製造業の国際競争力が高まるとの見方もできる。今年1~8月の紙の輸出量は前年比1・8%減、パルプは同比2・7%減と低調だ。余剰したパルプ設備を活かした製品輸出で、海外市場を開拓できないものか。そんな窮余の策にも期待したい。
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