
コロナ禍を経て都市部で家庭からの段ボール古紙の排出量が約2割増えた。ただ19年→20年の段ボール古紙の回収量(国内消費量+輸出量)はほぼ横ばい。排出元が物流センターや小売店舗といった流通企業から家庭に大きくシフトしたことを物語る。米国で「アマゾン・エフェクト」と呼ばれた現象が、日本でもいよいよ本格化したというわけだ。
▼米国ではシングルストリーム(混載収集)が主流なので、家庭からの排出増は品質劣化に直結した。ОCCグレードを#11(一般品)と#12(精選別品)に分けることになった所以である。日本の場合、家庭での分別排出が行き届き、顕著な品質低下はなかったものの、しわ寄せを受けたのが新聞・雑誌である。回収頻度の見直しで同じ車両の合い積みも起き、今後は混合回収が進むかも知れない。
▼ネット通販業者がどのパッケージを使って商品を配送するかによって、廃棄物行政も揺るがしうる。段ボールであればリサイクルできるが、プラスチック製のプチプチであれば可燃ごみを増やすことになるからだ。段ボールさえも配送から廃棄・回収までのCО2排出増といった環境負荷の影響も見過ごせない。ネット通販が定着するほど、廃棄時まで想定したパッケージの選定が重要になってくる。
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