過去2年で古紙輸出を取り巻く環境は様変わりした。中国の完全輸入禁止に加え、コロナ禍による発生減、国際物流の混乱による影響を受けたからだ。以前は中国が世界最大の輸入国として、価格主導権も握っていた。ところが今、新聞や雑誌は韓国系商社が交渉力を活かした牽引役となり、段ボールはベトナム向けを中心に中華系・台湾系・日系が競り合う構図となっている。
▼興味深いのが日米欧の輸出先に多様性が生まれたことだ。21年の輸出先は日本が①ベトナム、②台湾、③韓国、米国は①インド、②メキシコ、③ベトナム、欧州は①インド、②インドネシア、③タイの順に多かった。これまでの中国一辺倒から各地域で供給先が分散化。インドは世界最大の輸入国となって価格も最高値を牽引するが、東南アジアとは市場が分断されている。
▼これはコンテナ船で古紙を運べる限界域が変わったことが背景にある。アジアのハブ港は釜山・シンガポール・中国の数港だが、海上運賃の高騰で積替えの輸出が難しくなった。その結果、日本と米国は太平洋側の韓国や台湾、ベトナム向けで増加し、欧州は東回りのインドやインドネシア、タイ、マレーシア向けで顕著に伸びた。マラッカ海峡が古紙の国際相場を隔てる境界にもなったわけだ。
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