
今回の製品値上げでは古紙市況との連動がみられず、基準価格は据え置かれた。この措置を古紙問屋に聞くと、概ね反応は「古紙も同時値上げされなくてよかった」というもの。仕入れ上昇にも繋がるため、横ばいのほうが望ましいというわけだ。輸出市況の高騰を受けて、製紙メーカーの国内買値を突き上げてきたのも今は昔。古紙問屋の激しい価格交渉はすっかり鳴りを潜めたかのようだ。
▼前回の乱高下による学習効果もあるが、問屋を取り巻く事業環境も変わった。一つは逆有償回収の定着だ。メーカーに買値を引き上げてもらうより、排出元に回収経費を負担してもらう方法が浸透した。実際、某コンビニでは2019年から20年にかけての市況低迷時、4割超の店舗で逆有償回収に切り替わり、月あたり1万円~の固定で回収経費が支払われるようになった。
▼もう一つは、回収量の落ち込みだ。国内メーカーに価格交渉を仕掛けるならば、完納や増量を要求される。これに応えられる問屋は少ない。過去5年間で日本の古紙回収量は12%減り、品種によっては2~3割減った。ヤード機能やパッカー車のルート回収など、過剰設備となったインフラをどう活かすか。価格交渉よりも数量の激減に対応する次の一手が課題となっている。
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