2021年12月13日 オピニオン » 1455号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 本紙が中国の2015年問題を最初に取り上げたのが10年3月。08年に世界一の紙・板紙生産国となった中国は、徐々に自国の古紙回収にも本腰を入れ始めていた。当初描いた2015年問題は、中国が古紙輸入を禁止する訳ではなく、自国の回収量が上がって行き、古紙消費量がやがて横ばいになる中で、輸入古紙の量と比率が下がって行くというシミュレーションだった。

 ▼中国は以前、廃プラ輸入を禁止したことがある。04年、日本から中国の山東省に輸出された廃プラの中身がごみ同然だった問題で、中国は日本からの廃プラ輸入を一時禁止にした。その後、05年9月より企業登録制と検査強化の実施で再開している。これによって量と品質が環境部と検査機関によって担保されることになった。しかし現実には、廃プラ輸入が禁止されている間も、香港経由でほぼ同じ量が輸入されていた。

 ▼13年にはグリーンフェンスという環境政策を実施したが、少し基準が厳しくなっただけでほぼ何も変わらなかった。これらの前例があったため、中国の環境政策に当初は懐疑的な見方をしていた。しかし中国は非鉄以外の再生資源の輸入を全て止めた。中国が本気になれば、CO2排出ゼロの目標や、海洋ごみ投棄禁止等の法律も作れるだろう。

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