朝日新聞社は21年3月期決算を発表。売上高は2938億円で対前年比16.9%減、営業利益は70億円の赤字、経常利益は5億円の赤字となった。同社の赤字決算は11年ぶりとなる。最近の大手新聞社の決算を見ると、新聞購読と広告売上の比率は年々減少し、不動産等のその他収入の比率が増加している。
▼コロナ禍の影響により、昨年は特に洋紙の生産が大きく減少した。昨年の新聞用紙の生産量は206万トンで、対前年比14.9%減。新聞の発行部数はわずか1年で300万部弱減少したと言われている。紙面広告の減少と発行部数の減少が止まらず、新聞社は苦しい経営状況が続いている。
▼新聞発行部数トップの読売新聞が25年ぶりに購読料の値上げに踏み切ったのが19年1月。それまでの4037円(朝夕刊セット価格・税込)を9%アップの4400円に改定した。ちなみに日本経済新聞はいち早く、17年11月に4509円から4900円(8.7%増)に購読料の値上げを行っている。部数減を危惧して追随しなかったのが、朝日・毎日・産経の各紙。ようやく今年7月から、8~9%の購読料の値上げに踏みきることが確実視されている。一大イベントの東京五輪前に値上げを敢行したいというのが本音だろう。
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