2020年6月15日 オピニオン » 1381号

ちょっとブレイク

ちょっとブレイク」

 もう5年前くらいになるが、大平サブローさん達と飲む機会があった。太平サブロー氏は太平サブロー・シローというコンビで、漫才ブームの時代に一世風靡をしてから、関西を中心に息の長い活躍をしている。関西ローカルのちちんぷいぷいというワイドショーで総合司会を8年間務めているだけあって、気さくで勉強熱心という印象を受けた。その氏が常に心がけているのが、空いた時間の読書だという。外出時はポケットに文庫本を持ち歩き、移動時間や待ち時間に読書をすることを日課にしていると話していた。

 その話で意気投合した。私も常に文庫本をポケットに持ち歩き、待ち時間や移動時間に読んでいる。待ち時間が長いフライトや電車の移動時間、病院の待ち時間も楽しい読書時間に変わる。文庫本が1冊あれば、人を待ってイライラすることもなくなる。読書のメリットは、①知識を得られる、②想像力が付く、③日本語力が付く、④楽しい、⑤暇つぶしになる等、挙げたらきりがない。空いた時間読書法はおすすめである。今はやりの電子書籍でも良いが、紙に携わる仕事をしているので、紙の本で読みたいという気持ちが強い。

 サブロー氏と会った時、私の後ろポケットに入っていたのは「思考の生理学・外山滋比古著」だった。外山氏は非常に尊敬している学者の1人。太平サブロー氏は読書家だけに「それはどういう本なの?著者はどういう人?」と興味を示していた。外山氏はお茶の水女子大の名誉教授で、英文学専攻だが、思考評論家という顔を持つ。また教育論、読書論、日本語論で独特の考えを披露するなど、時代を超えて多大な影響を与えた人物である。

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