2020年6月15日 オピニオン » 1381号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 自粛期間のGWに、日本における製紙業を発展させた2人の伝記を読んだ。王子製紙の創業者である渋沢栄一の一生を記した「雄気堂々・城山三郎著」と、大昭和製紙を立ち上げた斎藤知一郎の自伝本である。

 ▼どちらも日本の製紙メーカーの礎を築いた人物だが、生きた時代も生き方も大きく異なる。渋沢栄一は、農民出身ながら攘夷熱が膨らみ、横浜の偉人街を焼き討ちする計画を持っていたが、計画直前に頓挫。そこから巡り巡って徳川慶喜の家臣となり、欧州留学をしている間に明治維新を迎えた。帰国後は官僚に迎えられるが政治の水が合わず、その後は「民業が発展しないと国も発展しない」という考えの下で、数々の株式会社を立ち上げた。

 ▼斎藤知一郎は静岡県富士市の半農半商の家に生まれた。大正10年、ある製紙会社が倒産し、原料の三椏(ミツマタ)が7000貫積んだままになっていた。これは絶対に儲かると思って全量を買い付けた。この原料転がしによって3500円を手にする。当時の一般的な年収が700円だったので、現在では3000万円ほど。これを機に斎藤商店を立ち上げ、4年後には製紙会社を買収して製紙業の道を進む。一代でこれほどの製紙会社を築いた人物は、日本では後にも先にもいないだろう。

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