新聞古紙の発生が尋常でない減り方をみせている。4月以降、問屋筋によると例年より3~4割減っているという。ページ数は広告の出稿減で削られた。そもそもスポーツの記事がなくなったこともある。新聞古紙になるときに折り込みチラシで重量が約4割増えるが、これも激減した。チラシ減少で新聞販売店は深刻な経営難に陥っているようだ。
▼普段以上にニュースに触れる機会は増えた。最新のコロナ禍の状況を知るため、大量の情報を消費している。だが、多くの人にとって主な情報源はYahoo!やLineで配信されたネットメディアだったのではないか。スマホやWeb画面から手軽で無料という価値には抗いがたい。ポータルサイトが巨大メディア化する構図はもはや決定的。ニュース制作と情報配信のあり方は完全に変わった。
▼感染予防で取材に支障をきたしているのは本紙も同じ。現地取材や対面で得られた情報はウリでもあったが、他のあらゆる手段をフル活用するしかない。幸い製紙・古紙業界は「必要不可欠な産業」として社会的なニーズが強い。生き残れる分野であるが、市場規模に合わせた再編、海外を含めた環境変化への対応が求められている。ニッチで鋭い市場分析が専門紙ならではの強みだと考えている。
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]
2024年09月23日
コラム「虎視」
最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは[...]
2024年09月16日
コラム「虎視」
23年末の日本の新聞発行部数は2859万部となり、全盛期だった97年時の5376万部から47%減少した。世界的[...]
2024年09月09日
コラム「虎視」
脱炭素の対応は競争力には繋がるものの、投資に対する費用対効果がみえにくい。というより、成果を実感することが難し[...]