「余剰古紙は燃してしまえばいい」。古紙業界の内部からこんな提案が出ているそうだ。中国から年間150万トンの段ボールが包装資材として流入する。それが国内メーカーで使えないならば、政府が補助金を付けるなどして、破砕しボイラーで燃やせば、余剰は解消できるとのことらしい。要するに廃プラで一般的なサーマルの手法を古紙にも取り入れようというわけだ。
▼これに対する反応は様々だ。「古紙リサイクルを啓蒙し推進してきた立場からいうと、自己否定そのものだ」「市況のいいときはもっと欲しい、下がったら燃せばいいというのはムシが良すぎる」「焼却は最終手段であって、時期尚早ではないか」など。もっぱら違和感を唱えるものが中心だ。古紙は、廃プラとはリサイクルの歴史も分別排出している市民の期待値も違う。
▼今回はリーマンショック時より厳しい需給軟化が続く。在庫急増に直面し、問屋の焦燥感も募ってきたのだろう。だが、多少の利益を吐き出しても我慢すべきタイミングがある。どんな相場であっても、ブレてはならない基本線がある。国内で発生した古紙は、業界が責任をもって有効活用するということだ。全原連では7月2日まで全国の理事からアンケートを募るそうだ。妙案を期待したい。
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