2月半ばよりCCICの船積み前検査料が値上げされる。中国の古紙輸入量が急減する中、CCICの収入減を穴埋めする意図も透ける。日本の古紙は選別精度が高いにも関わらず、もともと検査料は米国に比べて3倍近かった。船積み前検査で合格しても、中国の現地通関でシップバックの可能性は排除できないという矛盾もあった。
▼今回、厄介なのが、出荷する問屋のコンテナ本数によって、検査方式が変わることだ。CCICは約60社を登録検査を認める古紙問屋に指定。月間800トン以上の輸出実積がある問屋で、これらで中国向け輸出の8割を占めるという。残る2割は1カ所あたりからの出荷本数が少なく、派遣検査員を複数箇所で依頼すれば、検査料が大幅に膨らむ。値上げ幅にも約3割から2〜3倍の開きが出る。
▼2月は旧正月を挟むため、中国向け輸出量が落ちるものの、すでに輸出商社が問屋に見積りを提示し、契約が決まったものもあった。やや唐突な新検査方式・値上げの発表に、いくつかの商社は開始時期の延期を求めている。検査料の格差を反映した輸出見積りの提示方法など、当面、混乱が続くとみられる。複数の問屋から出荷していた組合の共販輸出事業(入札・見積り)にも影響が及ぶだろう。
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