堤未果著『日本が売られる』で、日本が大切にしてきた資産ー土、水、森、果ては労働や教育、介護までーが外資に売られる実態があばかれる。効率性や経済合理性を追求するあまり、公共性の高い資産まで政府がわざわざ規制を緩め、国境を超えた取引きに供される。その結果、安全な日常生活や食や教育などの選択肢が脅かされているのだ。
▼市民の手によって丁寧に分別され、自治体が収集に関与しているという意味では、古紙も公共財の一つであろう。自由競争とはいえ、中国メーカーによる異常な高値買いは、もはや理解の域を超えている。需給のバランスだけではなく、中国政府のライセンスや製紙メーカーの思惑によって、市況が大きく揺れ動く。この一年、日本の関係者は中国に翻弄されて続けてきた。
▼レンゴーの長谷川一郎副社長は憤りを隠さない。「古紙再生促進センターは1974年に設立して今年で44年目。その間、数110億円費やして製紙と原料業界が取り組んできた(中略)それにタダ乗りをして、必要な時だけ価格をだけどんどん吊り上げて、余剰になれば知らぬ存ぜぬ」(9/17付け、板紙・段ボール新聞)。高い回収率と高品質の古紙がいかに保たれてきたのか、原点を忘れてはならない。
2021年01月25日 コラム「虎視」 かつて静岡県袋井市にあった鉄スクラップと古紙を扱う問屋が面白い取組みをしていた。約230トンのCO2排出権を購[...]
2021年01月04日 ちょっとブレイク 昨年はコロナ禍の影響により、3月からほぼ世界中のサッカーリーグが中断となった。欧州の5大リーグでも同様の措置が[...]
2020年12月21日 コラム「虎視」 深刻なコンテナ不足が続いている。海上運賃は2〜4倍まで値上がりし、古紙の輸出価格はドル立てのオファー価格が上昇[...]
2020年12月14日 コラム「虎視」 東南アジアでは、繊維が長く歩留まりが良い米国古紙がファーストチョイスで、次いで品質は低いが価格の安い欧州古紙。[...]