▼発生物である古紙など資源物は、廃棄までに一定の期間があり、家庭が倉庫機能の一端を担っているともいえる。この家庭での片付け術を指南したコンマリこと近藤麻理恵著の「人生がときめく片付けの魔法」が世界中で大ヒット。三十四カ国で出版され、発行部数は累計三百四十万部を突破した。この方法がユニークなのは「ときめき」を判断基準にしているところだ。
▼古紙に関連するところを引いてみよう。本棚にある本は一度すべて床に並べた上で、「積み上げた本を一冊一冊手にとって、残すか捨てるか判断」。その基準は、「触ったときにときめくか」で決して中身を読まない。「いつか読むつもりのいつかは永遠に来ない」と畳み掛ける。書類に関しては、「全捨てが基本でまったく問題なし」と一刀両断。日本中で「ときめき」が消えれば、おそらく古紙の発生は急増するだろう。
▼家庭内で分別排出が徹底されているのは日本だけで、他の先進国ではシングルストリーム(混載収集)が主流。金銭的インセンティブがあるわけでなく、こうした分別回収の成否は、同書が指摘するようなマインド面が大きい。日本発の片付け術がウケたように、日本式の分別リサイクルの妙技も、他国の関心を惹く可能性を秘めている。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]