
▼中国の昨年の古紙回収率は30.4%だった。ちなみに日本の回収率は68.5%。日本に比べて中国の物価や賃金は10分の1から20分の1といわれるが、古紙価格は日本と同等か少し高い。つまり古紙は中国にとって貴重品なのになぜ回収率がかくも低いのか。
▼日本でも1960年代(昭和の30年代後半から40年代前半)の回収率を振り返ると、30%台で推移していた。第一次オイルショックの勃発は1973年(昭和48年)だが、古紙価格がキロ50円、60円に急騰した時でも、回収率は40%そこそこだった。これは①輸出に依存した産業構造②古紙回収現場における機動力や機械化の遅れ③リサイクルでだけでなく古紙がリユーズされていた-などが原因であろう。
▼中国のGDP(国内総生産)は1人当たり1,000ドルを超えたばかり。日本は3万ドルを超えており、中国の30倍である。中国は先に人民元を2%切り上げたが、いずれ変動相場制に移行し、日本と同じ道をたどるとみられている。産業構造も輸出型から内需型に移行する過程で、古紙の回収率も徐々に上昇していくだろう。
▼丸紅の南通捷紅資源再生がオープンしたが、ベーラーを設置した古紙ヤードはこれから。今後、急速に数が増えるとみられている。
2025年12月22日
コラム「虎視」
風光明媚な庭園に囲まれたDIC河村記念美術館(千葉県佐倉市)が、今年3月末でその歴史に幕を下ろした。20世紀美[...]
2025年12月15日
コラム「虎視」
高3の息子は奈良高専の情報工学科に通っているが、今週、社会見学活動で大阪府警を訪問する。「サイバー攻撃やサイバ[...]
2025年12月08日
コラム「虎視」
03年に高良・高橋常務、古紙ジャーナル創業者の父、私の3人で、愛媛県の常裕パルプ工業を訪問した。そこで古紙パル[...]
2025年12月01日
コラム「虎視」
日本国内の古紙利用工場は中小を含めて約140カ所。そのうち家庭紙(ティッシュ・トイレット等)を生産するのは52[...]