
グラフィック用紙の内需減少に底が見えない。今年も6.3%減の見通しで、コロナ禍前から3分の2の規模まで縮小。段階的に製品価格を値上げし、コスト吸収に取り組むものの、印刷情報用紙事業では採算ギリギリ、新聞用紙事業は赤字のメーカーも多い。事業転換が必須なものの、何とか光明を見出せないものか。
▼期待したい一つは、コンテンツ産業の輸出に伴う需要増である。日本の漫画本は、海外での人気が高まっており、紙媒体での輸出も増えている。特に米国向けは22年に2840万ドルと、4年間で4倍になった。まだ日本市場に比べて40分の1の規模であるが、AI翻訳を使った出版サイクルも速まっており、小学館らが今後5年間で現在の3.5倍となる約5万点の英訳と海外輸出を目指すという。
▼もう一つはサーキュラーエコノミーと呼応した取り組みである。例えば、山陽製紙の「ペルプ」は、企業からコピー用紙を回収し、再生紙やオフィス用品などの製品で還元するサービスだ。他社との大きな違いは、古紙回収、製造、流通といったあらゆる再生状況を追跡できるトレーサビリティを組み込み、その過程のCO2排出量を可視化したことである。顧客数も一千社を超え、地産地消にもひと役買っているという。
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