世界的にサーキュラーエコノミー推進の大号令がかかっている。従来の使い捨てのリニア(直線)型の経済に対して、資源の循環型経済へ移行させようとの主旨だ。ただ、製紙分野は歴史的に古紙を多用してきたので何を今さらの感もある。しかし、サーキュラーエコノミーの考え方は、古紙ビジネスをじわりとだが着実に変えていくのではないか。
▼一つは、ブランドオーナーと呼ばれる消費財や食品のメーカー、小売業者らが主導する動きだ。商品販売後を含むサプライチェーン全般に関わり、副資材といった資源も管理するようになる。例えばこれまで梱包材だった段ボール古紙を回収した後は、古紙問屋が自由に売買できていた。それを小売業自らがリサイクルセンターを立ち上げたり、クローズドシステムの中で納入先を決められたりする。
▼もう一つは、古紙業者の顔がみえる製品づくりである。これまで静脈業者の役割は黒子に近かった。だが、農家の顔写真が貼られた野菜のごとく、リサイクル事業者の見える化で、消費者が実感する環境貢献度を高められるという。アスクルのリサイクル紙袋では、大和紙料が古紙回収と原料供給を手掛けたストーリーを載せている。古紙業者の想いが伝わる製品こそ支持される時代になってきた。
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