2022年4月18日 オピニオン » 1472号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 中部大学の武田教授は、歯に衣着せない発言で人気を博してきた。氏の著書やブログには、PETボトルや古紙のリサイクルを批判する内容が度々出てきている。関連する主張を整理してみると「税金をかけすぎている」「海外で処理されている」「一部の業者が恩恵を受ける構造になっている」というものだ。

 ▼21年の古紙の輸出比率はわずか12.8%であり、海外で処理されているのは一部。最も輸出比率が高かった09年と12年は22.7%だったが、それでも2割強なので国内消費がメイン。また一部の業者が恩恵というのも暴論であり、インサイダー・アウトサイダーはいるが、それぞれが自由競争の元で切磋琢磨している。ただ「税金をかけすぎている」という点では、ある程度は真実かもしれない。

 ▼19年の古紙の行政回収量が153万トン、集団回収量は172万トン。古紙行政回収の収集運搬費用は概ねキロ30円~40円だと言われている。そうすると行政回収量は153万トン×平均キロ35円で536億円。集団回収では172万トン×助成金(団体+業者)の平均がキロ6円で103億円。行政が関与する家庭系古紙回収では、計639億円の税金が負担されている。これを多いと見るかごみ処理の観点で少ないと見るか。

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