▼いわき大王製紙で延期していた年産30万トンの段原紙マシンの新設が2014年春にも実現する。段原紙の薄物化・軽量化に対応した日本初の1~2層抄きマシンになるとみられ、注目が集まる。薄物段原紙は飲料系のエンドユーザーを中心にニーズが強い。省資源やコスト削減の観点からも避けられない流れだ。軽量化が進んだ輸入紙の牽制といった方向性もある。
▼他メーカーでも既存設備の改造によって、薄物化への対応が進むだろう。リーマン・ショックの影響で設備更新が遅れていたが、今後数年間で集中的に改造に取り組むとみられる。日本における既存の段原紙マシンは3~5層抄きの多層抄きマシンであるが、これにサイズプレスなどの付帯設備を加えることで、技術的には90グラムの段原紙生産も可能である。
▼日本の場合、外装ライナーで160~280グラム、中芯原紙で115~180グラムが主流だ。最近の坪量を調べてみると、外装ライナーの150グラム以下も0.6%、中芯原紙の100グラム以下も2.1%と、わずかだが薄物の生産実績もある。どこまでシェアを増やすかは未知数だが、薄物化が本格的に浸透すれば、板紙向けの古紙消費や品質にも影響が生じてくるだろう。
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