▼「建値は動かない」ということがこの三年以上、定説になっていたが、ついに大手メーカー二社が動いた。しかし動き方は大きく異なる。先に段原紙の値上げを発表したレンゴーに対して、王子HDは古紙価格の建値を三円上げると発表した。現行の段ボール十五円、新聞十四円、雑誌十二円から、段ボール十八円、新聞十七円、雑誌十五円になる。
▼そして予想を大きく裏切ったというか、予想の上を行ったのがレンゴー。これまでの建値制度を廃止し、各社ごとに毎月相対で価格交渉をすると発表した。つまり今後建値をいくらにするという言及はない。同社によると、昨年の段ボール古紙の購入価格の中心値は、関東地区でキロ十七円~十八円だったが、今年三月には二十円~二十一円に上昇。六月は、関東は二十四円~二十五円、関西は二十二円~二十三円と大幅に上昇していた(いずれも工場着値)。
▼これまで二重価格がスタンダードとなり、国内建値と輸出価格の乖離が指摘されていたが、今回のレンゴーの表明は、広義的には「日本式商習慣からの脱却」と言えるのかもしれない。ちなみに欧米や中国では建値はなく、各社とも交渉によって価格が決まる。多い時には週二回、価格が改定されることもある。
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