2005年2月28日 オピニオン » 629号

コラム「虎視」 629号

コラム「虎視」

▼福岡で九州環境ネットワークの発会式にともなう記者会見とパーティがあり、出席させてもらった。前号で報道したように、同ネットワークには九州の廃棄物業者とリサイクル業者25社(1社が増えた)が加盟しており、当面、製紙会社に廃棄物燃料を供給するのが狙いだ。廃棄物とリサイクル業界にはそれぞれの団体はあるが、ビジネスを目的とした両業界を横断する組織はなかった。全国的にも初めての試みだろう。

▼欧米と違って日本の古紙回収業にあっては専門問屋が圧倒的なシェアを持っている。しかし、子細に見ると家庭系と事業系では状況が異なる。段ボールなどの事業系古紙においては、価格が長期にわたって低迷したため、専門の回収人がいなくなり、廃棄物業者が多くを収集するようになった。近年は収集だけでなく、ベーラーを設置して選別・加工分野にも進出してきた。

▼かって収集は廃棄物業者、選別・加工は専門問屋といった棲み分けがあった。これが崩れて、対立の構図が生まれてきたわけだが、逆にお互いのノウハウを共有することで、顧客のニーズを掴んだ共同のビジネスも可能だ。リサイクル促進というプラスの部分に目を向け、共同のビジネスを育てようというのが今回のネットワークの狙いでもある。

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