▼これだけ輸入が爆発的に増えると価格の高騰が懸念されるが、中国から見た輸入市況(日本からみれば輸出市況)は、意外なほど平穏に推移している。輸入の半分を占める段ボールでみると、昨年の日本の輸出市況(関東商組による)は高値132ドル、安値120ドル(いずれもトン当たりのCIF価格)、上下わずか12ドルである。円価にしてキロ1円40銭だ。
▼価格が平穏なのはなぜか。最大の要因は古紙の輸出国である米国、日本、欧州において需給ギャップが拡大し、輸出余力が高まっていることにある。米国は回収が余り伸びていないが消費が大幅に後退したため。日本は消費が横ばいだが回収が大幅に増えたため。欧州も日本と似た状況か。
▼もうひとつの要因は、輸出国に占める中国のウェートが圧倒的なことだ。米国でも昨年、初めて50%を超え、日本は84%である。これらが古紙の輸出市況の平穏な理由とみたい。
2021年01月25日 コラム「虎視」 かつて静岡県袋井市にあった鉄スクラップと古紙を扱う問屋が面白い取組みをしていた。約230トンのCO2排出権を購[...]
2021年01月04日 ちょっとブレイク 昨年はコロナ禍の影響により、3月からほぼ世界中のサッカーリーグが中断となった。欧州の5大リーグでも同様の措置が[...]
2020年12月21日 コラム「虎視」 深刻なコンテナ不足が続いている。海上運賃は2〜4倍まで値上がりし、古紙の輸出価格はドル立てのオファー価格が上昇[...]
2020年12月14日 コラム「虎視」 東南アジアでは、繊維が長く歩留まりが良い米国古紙がファーストチョイスで、次いで品質は低いが価格の安い欧州古紙。[...]