▼日本では段ボール原紙メーカーが雑誌をアンコとして使用している。アンコとは四層や五層抄きの中間層のこと。多層抄きの外装ライナーには利用されるが、一層抄きの中芯原紙には余り利用されない。別項のように外装ライナー専抄の大津板紙は、使用古紙の主体は当然、段ボールだが、雑誌を巧く利用しており、全体のおよそ三割が雑誌。海外の段ボール原紙メーカーで、雑誌を有効利用しているケースは少なく、日本企業特有の使用例といえよう。
▼大津板紙の場合、都会地工場という立地を活かしてその雑誌の代替に機密書類を月千トン足らず使用している。北海道や四国などの地方工場になると①機密書類の発生が少ない②遠距離輸送だと事業者側の立ち会いが困難ーなどから、機密書類を本格的に利用しにくいという欠点がある。ただシュレッダーされた古紙は輸出もされているように、シュレッダー古紙の発生・回収がもっと増えると、地方工場でも機密書類を本格的に利用できるだろう
▼昨年から今年にかけて機密書類を使用する王子製紙・江戸川工場、西日本衛材、鶴見製紙、大津板紙などを見学する機会があり、これらの工場を紹介してきた。原料としての機密書類は家庭紙は主食、板紙は副食という関係にあるが…。
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