▼古紙問屋の間で「粗利バブル」が起きている。輸出価格が国内価格を上回る、内外格差の拡がりが長期化。これに国内製紙のプレミアム価格による調達が常態化してきた。実際の問屋の売価が見えなくなり、一方の仕入れ単価は抑えたまま。問屋の粗利が異常に膨らみ、バブルとも表現できる活況が起きているのだ。
▼プレミアム価格は全ての問屋に付いているわけではなく、一部の大手、老舗問屋に上乗せ幅が大きいとされる。バブルの行く先は、投資対象としてのヤードラッシュだ。実際、昨年末から大手問屋による新規ヤードの計画が目立ってきた。ただ投資というのは、将来の成長を見越してや、古紙の回収増に繋げる戦略があってこそ。どこか節税対策のような目的性の薄いヤード展開に陥っていないか。
▼言うまでもなく、古紙の発生は頭打ちで、将来的にも市場は縮小に向かう。2、3年前にヤード開設した問屋が「全然集まらない」と言うのも、あながち謙遜だけではないだろう。バブルを支える中国の需要に不安要因は付きもので、輸出価格の急落も起こりうる。不採算ヤードはたちまち重荷となりかねない。同族経営が主流の古紙問屋であるが、孫の代まで考えた投資戦略が改めて問い直されている。
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