▼その国の物価や賃金水準に比べて古紙の値段が高いのか低いのかという物差しでみた場合、中国の古紙価格は大変高いことを前号で報じた。アジア全体をもう少し子細にみると、大変に面白い現象に気づく。日本、韓国、台湾の古紙価格はこの物差しでみた場合、大変に安い。日本の古紙価格は二度のオイルショック時の高騰時からみると、五分の一程度だから。
▼一方、中国を始めとしてインド、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムフィリッピンなどはこの物差しでみると大変に高い。古紙価格が高いこれらの国の回収率をみると(データは05年)中国31%、インド17%、フィリッピン35%、ベトナム40%など、総じて低い。一方、古紙価格が安い日本、韓国、台湾の回収率は71%、85%、69%と大変に高い。
▼古紙価格が高ければ古紙をごみとして捨てない、回収率も高いと一般に思われがちだが、データは逆の結果を示している。戦後の日本でも不思議と?回収率が低かった。①産業構造が輸出型で製品の輸出が多く、段ボールなどの包装材が海外に出て行き国内で回収されない②リサイクルでなくてリューズ(再利用)されている古紙が多い③需給両面でデータが不足しているーなどが原因だろう。
2025年03月17日
コラム「虎視」
シリコンバレー発のGAFAなどの新興企業がもてはやされる陰で、米国の製造業は着実に衰退してきた。製造業付加価値[...]
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]