名古屋市長の河村たかし氏は、09年の就任以来、15年目となる。最近読者になった方は知らないので補足すると、河村市長の実家は古紙問屋の河村商事(愛知県春日井市)で、政治家になるまでは同社の専務取締役だった。以前は全原連の総会に度々出席し、名古屋弁の挨拶が定番となっていた。檀上では「古紙業界からも上場企業が出てこんとな」と話して、業界全体の地位向上を願っていた。
▼本紙は河村市長にこれまで2回、独占インタビューを行ったことがある。1回目は1992年で、前述の河村商事の専務時代。「古紙業界から政治家を目指す」という出陣前夜の独占インタビューは、気概に満ちた内容だった。それまでは政党の転籍等で芽が出なかったが、このインタビュー後に日本新党の勢いに乗って初当選を果たすと、その後は選挙無敗を誇る。
▼2回目のインタビューは名古屋市長に就任した後。10年の正月号では「古紙業界から初の政令市市長に」という見出しが踊る。庶民革命を掲げ、実際に名古屋市では市民税の10%減税や、公務員の給料を下げるといった施策が民意を得た。「トラックに古新聞を積む人のために政治をせないかん」という言葉は、業界や組合としても、初心に戻って噛みしめるべきだ。
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