▼本紙の推計によると、洋紙が使用する模造・色上、中身は一品色上やチラシなどが中心だが、昨12月から今2月の3ヵ月で約9万トン、減少していた。月平均3万トンもの消費減である。この状況は3月以降も続いており、昨年の月間平均消費量が7万トン弱だったのでほぼ半減だ。今年の同消費量は6年前の03年の水準である年間50万トンに戻りそうな見通し。
▼輸出価格の暴落と相まって洋紙の消費減の恩恵をもっとも受けたのが国内の古紙もの家庭紙メーカー。昨秋までオフィス古紙は輸出増から不足し、産業系古紙は洋紙との争奪戦に巻き込まれる。このため、06年から昨秋まで価格は一本調子で値上がりしていた。この反動から今年は続落していたが、今月に入りようやく下げ止まった。昨秋以来今4月までに西は7回下げ、東も6ヵ月連続で下げた。西は14円以上、東も10円以上下げたことになる。
▼過去3年間で積み上げた価格体系がわずか半年で崩れ去ったわけだ。もっとも視点を変えて家庭紙メーカーからみればこれは大変な追い風。古紙だけでなく重油も下がり、副資材なども下がった。製品価格はそれほど下げていないので採算は大幅に改善され、業績はV字型に回復しつつある。この環境がいつまで続くか。
2024年10月07日
コラム「虎視」
物心付いた時から毎年、年賀状を出していたが、5年前に出すのを止めた。会社関連も2年前から止めて、勝手ながら紙面[...]
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]
2024年09月23日
コラム「虎視」
最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは[...]
2024年09月16日
コラム「虎視」
23年末の日本の新聞発行部数は2859万部となり、全盛期だった97年時の5376万部から47%減少した。世界的[...]