▼古紙輸出量は2ヵ月連続で記録ラッシュ。2月に初めて40万トン台に乗せたばかりか、3月は50万トンを軽く突破。遠い将来と思っていた年間輸出量500万トン時代が身近になってきた。要因は回収増による需給ギャップの拡大でなく、国内消費の大幅な後退による。国内製紙に気兼ねなく輸出できるので、こういう需給環境になった時の日本の輸出は記録的に伸びる。
▼一方、3月の日本の紙・板紙生産は前年比76%、1ー3月累計でも同77%。仮に今年の生産が2割減とみると、昨年の生産が3,127万トンだったので、2,502万トンに。前年に比べて625万トンも生産が減るわけだ。下期に生産が回復したとしても500万トン減は必死か。つまり2,600万トン台の生産といえば1989年、平成元年頃の水準で、20年前に戻ってしまう。
▼また紙・板紙生産の二桁減は1975年の87%以来、実に34年ぶり。原因は70年代に勃発したオイルショックの反動不況だったが、今年はそれ以来の減少率になろう。日本の製紙産業がこのまま衰退期を迎えるのかどうか。70年代は生産がV字型に回復した。しかし今年は世界的な同時不況に加えて、インターネットの普及などによって紙需要に陰りがみえる。
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