▼2月は年間を通じて一番の非発生期。例年以上の発生減で仕事がなくなり、戸惑う問屋の声も聞こえる。ちょうど昨年の今頃は急増した在庫の振り向けに忙しかった。昨年の回収量は2,166万トン。対前年比では4.8%減で、回収率も80%近い高水準となった。紙・板紙の大幅な減産にも関わらず、さほど回収量が落ち込んでいないのは、①輸出暴落後、行き場を失った流通在庫が翌年に持ち越した、②製品在庫の払い出し分が古紙となって発生した、③デフレ下、アジア諸国から製品梱包材として流入する段ボールなどが増えた―ことに拠る。
▼今年も紙・板紙需要は低調で、製紙連合会による内需予測は2,760万トン。回収率が昨年はやや変則的だったとして一昨年前の水準に戻るとしても、古紙の発生は2,760万×75%=2,070万トン。さらに100万トンほど減らすことになる。流通在庫の圧縮で2,000万トンを割り込むのでは、との見方すらある。
▼毎年増え続けた古紙ヤードは1,800カ所近くを数える。右肩上がりで伸びてきた回収量が頭打ちとなり、ヤードを出せば集まるという環境ではなくなった。既存ヤードでも扱い量が年々減り始めている。古紙問屋も生き残りをかけて量を確保する時代に入った。
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