▼中南米で大地震が続発しているが、日本も地震大国。1995年1月に発生した阪神大震災の記憶はいまだに生々しい。インフラが壊滅状態になり、日常生活が戻るまで古紙は集めるどころでなかった。近畿地区の古紙回収が激減したのをきっかけに、段ボールと雑誌価格が春に2円値上がりした。しかし翌年には値下がりして元に戻ってしまう。古紙は買い手市場のまっただ中にあり、需給が逼迫しても価格は容易に動かない時代でもあった。
▼国内のこうした買い手市場に風穴を開けたのが2000年代に入ってからの輸出価格。とくに07年以降、乱高下が目立つようになっている。ここにきて米国西海岸のOCC輸出価格がさらに上昇してきた。ドル価は前回の高値を上回るかもしれない。もっとも日本の場合、中国から仮にCIF260ドルのオッファがきても、為替が円高で推移しているので1ドル89円で計算するとトン2万3,140円。輸出経費に3,000円かかると円価(問屋手取り)は2万140円。キロ20円ちょっとである。
▼前回はドル価が210ドル前後で円価は20円台に乗せた。今回は260ドルまで上昇しないと20円台に乗らない。国内にとって為替の差が緩衝材の役目を果たしているといえる。
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