▼大手2社が先導した4月からの建値修正は、様々な波紋を呼んでいる。建値アップと地域格差の是正を同時に行ったため、近畿以西の雑誌建値が10円から4円アップの14円になった。4円アップしたのは、オイルショックの時期を除けば初めて。北海道においては、雑誌の建値が8円だったので、なんと6円アップしたことになる。全国的に段ボール15円、新聞15円、雑誌14円に統一された。
▼今回の建値修正で最も割りを食らったのは中小板紙及び家庭紙メーカー。雑誌価格が関東・静岡・中部・東北で3円アップ、近畿以西で4円アップ、北海道で6円アップしたことにより、建値を動かさざるを得なくなった。08年秋の輸出価格の暴落は家庭紙メーカーにとって神風だったが、今回の建値修正は完全に逆風となった。
▼では問屋サイドはどうか。正直、問屋サイドとしては、潜っていた(プレミアムで対応)方が仕入れ値を抑えることができるので利幅が大きい。今回の反応を見ても、建値が上がったからといって素直に喜べない、という問屋が多い。特に輸出比率の高い関東や九州では、輸出価格の上昇に引きずられるように仕入値が既に上がっていた為、建値の上昇分をどう仕入値に転嫁させるか頭を悩ませている。
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