2021年11月29日 オピニオン » 1453号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 プラか?紙か?素材代替の動きが活発化している。来年4月に施行されるプラ資源循環新法の施行を控え、小売業者等は使い捨てプラ配布に対応が求められる。同法の基本方針では再生可能性の観点から紙といった代替素材の使用を推奨する。バイオプラもその選択肢で30年までに200万トンの導入の目標もある。紙製品にとって環境配慮性能の真価が試されているわけだ。

 ▼大王製紙は紙製のナイフ、マドラーやハンガーの素材になるエリプラ・ペーパーを開発。日本製紙は専門の紙化ソリューション推進室を立ち上げ、鮮魚向けの防水ライナーの段ボールやストローレスの紙パックなどを投入。王子HDはサステナブルパッケージ特設WEBサイトを開設し、SDGs時代の紙パッケージの受注体制に刷新している。

 ▼課題は従来の汎用プラに比べてコスト高になる点。一般的に数倍~10倍だろう。コストに見合うニーズが続かなければ逆戻りもしうる。代替の紙もバイオプラも使用後のリサイクル性能では明確な指針を打ち出せていない。食品が付いた紙は禁忌品扱いとなり、生分解性のバイオプラも基本的に処分方法は変わらない。プラ→紙は、産廃から一般廃棄物扱いになったり重量が増すこともある。代替後のごみ減量の視点も期待したい。

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