本紙ではこれまでに、米国・英国・豪州・ロシア・スウェーデンのMRF施設を見学した。MRF施設とは、シングルストリーム(混載回収)によって集めた資源物を分別する大がかりなリサイクル施設を指す。欧米ではこの方式が主流で、古紙・缶・ビン・PETボトル・廃プラ・雑品等を全て資源物としてまとめて回収して分別を行う。
一方、日本や韓国で主流は分別回収。欧米では諸々の事情で分別回収を実施していない。米国は土地が広いので、品目別に回収するためにはその分の車両台数が必要になる。コストや時間を考えた結果、シングルストリームが主流となった。欧州は逆に土地が狭く、ごみ・資源物ステーションの面積が限られるので、分別回収が出来なかったという。しかし土地が狭い日本で実施できているので、煩雑で合理主義な欧州人の言い訳にも聞こえる。
米国では今3月、将来的に資源リサイクル法の施行を目指す草案が有志議員によって上程された。まだ案の段階だが、特に家庭からの排出が急増している段ボール古紙を分別回収することで、品質とリサイクル率の向上を目指す。ちなみに19年の米国の古紙回収率は66%だった。リサイクル法は排出者責任による予算を元に、分別回収の実施とリサイクル教育を行うというが、どこまで実現できるか。
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