▼今夏は電力不足から東北・関東地方における500キロワット以上の需要家に対し、15%の節電要請があった。古紙問屋の場合、鉄スクラップなども扱う複合問屋でなければ、500キロワット未満の工場が大半で節電の義務は生じなかった。ただ、脱原発の議論も沸き起こる中、今後も電力の供給不安が続けば、あらゆる業種での節電対応が必要となるだろう。
▼古紙ヤードで消費する電力の約八割はベーラーの動力だという。節電対策として出来ることは、①アイドリングストップ、②稼働モーター数を減らす、③カッター切断を蓋式プレスに変更といった方法があるようだ。また事務所内では空調の温度設定や、照明設備のLED化といった一般的な手法が有効だろう。全国に約1,800カ所あるヤードで取り組めば、その節電効果も大きい。
▼ヤード内に太陽光パネルを設置して消費電力を補うケースもある。富澤(埼玉)、ハイグレード(埼玉)、名古屋紙業(愛知)、大本紙料(兵庫)などが実施している。投資額は規模にもよるが数千万~五千万円ほどで補助制度もある。再生エネルギー特別措置法の施行で、長期に渡り電気会社が固定価格で買取ることになれば、古紙ヤードでの太陽光パネルの導入も拡がるか。
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