▼1990年代後半、国内に古紙が溢れ、販路開拓のため古紙問屋による赤字輸出が始まった。主要三品の国内売価が一桁価格に転落したのにかかわらず、赤字輸出だった原因のいったんはフレート(海上運賃)が異常に高かったことによる。太平洋を越えて米国からアジアに運ぶ海上運賃に比べて、アジアに遙かに近いはずの日本の海上運賃の方が倍以上もしているのに驚いたものだ。このとき海上運賃は輸送距離ではなく、船舶需要の有無にあることを思い知らされた。2000年代に入ると、またたく間に古紙輸出量が増大し、それとともに海上運賃が年々低下し、黒字輸出が定着するようになる。
▼それでも、鉄屑と古紙輸出の地域別輸出に大きな違いがあるのは、古紙がコンテナ輸送なのに対し、鉄屑はバラ積み輸送だから。古紙は40フィート(約12メートル)のコンテナが主流で、22トン前後の積載が可能。国際間の海上貨物輸送の主流がコンテナ輸送だが、コンテナ輸送に不適な鉄鉱石、鉄屑、穀物、原油などがバラ積みやタンカーに頼る。パルプ原料となる木材チップもバラ積みの専用船を利用している。このため、鉄屑は全国からまんべんなく輸出されているが、古紙は関東が五七%も占める一極集中型だ。
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