▼昨秋、日本製紙の組織改編によってグループ会社から『大昭和』の名が消えた。大昭和製紙といえば、バブル崩壊を機に経営難に陥り2003年に統合されるまで、一時代を築いた製紙メーカー。同時に社会人野球チームも強豪で、東海の暴れん坊との異名が付いた。都市対抗野球で2度優勝し、プロに転向する選手も多く輩出している。
▼白老工場のある北海道にも野球チームがあったが、冬の積雪が宿敵で低迷していた。この状況を打破し、全国優勝に導いたのが沖縄出身の我喜屋優氏だった。雪かきトレーニングや雪上の練習方法を編み出し、逆境をプラスに変えた。この練習法は後に田中将大投手がいた駒大苫小牧の練習にも受け継がれる。氏は母校である沖縄の興南高校から監督の声がかかり約40年ぶりに帰郷。2010年に春夏連覇の偉業を成し遂げた。
▼我善屋氏は大昭和のチームで2度の休部に直面。紙製品販売と古紙事業を手掛ける北昭興業に籍を置いて野球を続けた期間がある。製紙・古紙業界を傍らで見つめながら、野球人として活躍した経歴が興味深いと思い、インタビューを申し込んだところ快諾を得た。人材育成法やリーダー論は企業経営に通じるところも多い。新年号で特集したいので、乞うご期待を。
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