2018年12月24日 オピニオン » 1309号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 2018年は後から振り返って、古紙業界において記録に残る一年になったのではないか。中国の環境規制の強化で、当初は需要が縮小すると見られたが、極端な需給の変動とともに価格の乱高下に振り回された。米国との貿易戦争に巻き込まれるなど予想だにしない事態から日本の古紙に特需が生じ、オイルショックに次ぐバブル市況となった。

 ▼需給の急変による日本の製紙メーカーの動揺ぶりは、統計からも読み取れる。段ボール古紙の在庫率は、2月に48%だったのが10月には25%まで約半減。新聞古紙の在庫率も、2月の97%から8月には49%と同じく半減に近い。今年前半はダブつき、夏場から後半にかけて急激にひっ迫。一年の間に価格が10円以上も急騰したことも初めてで、発生物の怖さを思い知った。

 ▼ただ、異常な好況というのは得てして長く続かない。2019年の中国の輸入ライセンスの第1回として昨年の倍増の504万トンが交付された。総交付量としては減っていく見通しで、小出しの発行から一度に充分な量を発行する方針に変わった。中国の製紙メーカーにとっては古紙の調達計画が立てやすく、激しい需給変動は安定化に向かうだろう。既に超高値で張り付いた輸出価格にも急ブレーキがかかっている。

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