世界で生産規模が千万トンを超えるインターナショナル・ペーパーは2名、UPMキュンメネは3名、ストラエンソは3名。何の人数かと言うと、役員に名を連ねる女性の数である。言わずもがな中国の最大手のナインドラゴンは女性董事長が指揮を執る。グローバル企業に女性の経営参画は不可欠だが、日本の製紙は皆無。少なくとも家庭紙分野で女性の視点が必要では。
▼世界経済フォーラムがまとめた男女格差報告によると、男女平等の程度で日本は135カ国中の101位。米国は22位であるが、フィンランド2位、ノルウェー3位、スウェーデン4位と製紙大国は軒並み上位に付ける。アジアではフィリピンが突出して8位であるのに対して、65位のタイ、66位のベトナム、69位の中国の新興諸国にも後塵を拝する。
▼上海で開かれたアジア古紙会議で、古紙の購買担当のバイヤーには女性が多いことに気が付いた。中国が買い付ける古紙は日替わり価格、場合によっては一時間単位で価格が変動する。その中で必要量を手当てし、買い付けないといけない。女性だから柔軟性もあるし、コミュニケーション能力も高いわけで、丁々発止の交渉を行っている。これが古紙取引の国際スタンダードかと膝を打った。
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