▼7月に入って輸出円価(問屋手取り)が上昇し19円が出てきたとしよう。6月末の成約に比べると1円以上高い。そこで問屋は追加輸出したいと考える。仮に月1万トンを回収している問屋が普段は3,000トンを輸出に、国内製紙に7,000トンを振り向けていたとしよう。国内を減らして輸出を増やすという行為が自由にできれば、問屋にとってこれほどのビッグチャンスはない。ところがこういう時ほど国内製紙も在庫が少ない。完納するよう矢の催促。輸出余剰玉を持たない問屋はジレンマに陥る。
▼今春、輸出価格が下落した。様子をみるため、ある問屋がしばらく輸出を減らし在庫を積みましたとしよう。このような対応ができるなら上がった時に輸出を増やせる。ところが古紙輸出が本格化してからというもの、日本の問屋はランニングストック程度しか在庫を持たなくなった。その方が在庫の回転が速いし、輸出は国内販売より資金が寝ないので資金回転率も速くなった。だから少々安くても輸出してしまうというのが問屋の経営スタイルとして定着した。価格が上がるまで在庫を持つというのは思惑が外れたらリスクも大きい。この結果、輸出価格が上昇する時ほど、国内に余剰玉がなくなり、輸出が減るという現象が起こる。
2024年12月16日
コラム「虎視」
2000年代の中国の製紙業の発展は驚異的な増設スピードで、瞬く間に世界一の製紙大国となった。
[...]
2024年12月09日
コラム「虎視」
マレーシアの経済発展は目覚ましいが、製紙業の発展も目覚ましいものがある。11年前に訪問した時は、王子グループの[...]
2024年12月02日
コラム「虎視」
働き方改革によって古紙業界ではドライバー不足に陥る懸念があった。時間外労働の上限規制(年間960時間)が敷かれ[...]
2024年12月02日
ちょっとブレイク
母がヒッポファミリークラブという多言語の国際交流クラブに入っていたので、海外からのホームステイを積極的に受け入[...]