2018年5月21日 オピニオン » 1279号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

▼昨夏、アマゾンが書籍の流通革命を行うという報道が出た。つまり流通を通さず、出版社との直接取引に乗り出す。ついにアンタッチャブルな分野にも進出してきた、というのが率直な感想だ。日本では再販制度があり変化をもたらせなかった。

▼また昨年6月、アマゾンは米国の高級食料品スーパーであるホールフーズ・マーケットを136億ドル(1兆5600億円)で買収した。今後10年以内に、米国の生産食品のオンライン市場規模は、現在の3倍ほどになると言われている。ホールフーズは米国に430カ所の拠点があり、生鮮食品の分野でもアマゾン化を浸透させていく。

▼昨年11月に発刊された「アマゾンが描く2,022年の世界」(田中道昭著)を読んだ。近未来予測的なビジネス書だが面白い。無人コンビニのワークスペースで、クラウドを利用してフリーランスの仕事をする主人公は、アマゾンメガネをかけている。これに話しかけると、自分専用の「ユーザーエクスペリエンス」が働く。アマゾンサイトでよく見るように、個々人の趣味趣向をAIが学習して提案する。また無人店舗はキャッシュレスで、自動的にオンライン決済されるー等の内容だ。合理化と顧客第1主義を突き詰めるアマゾン化は、どこまで進むか。

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