中国政府が米国およびカナダから輸入される古紙に対して、25%の関税をかけることと明らかにした。8月23日から実施される。
中国国務院の関税委員会は8日、ホームページ上において25%の関税をかけるリストを公表。その中に、古紙に該当するHSコード4707で始まる4品目が含まれていた。すでにMIX古紙は今年1月から輸入が禁止されていた。
2017年の中国の古紙輸入量2,572万トンのうち、米国からが1,169万トンの45%、カナダからが145万トンの6%を占めた。また2018年1-3月の実績では(4月以降は国別輸入データが未公表)、米国が47%、カナダが5%を占めた。
米国からのOCC(段ボール古紙)輸出価格は、8月上旬で#11(一般的なもの)が220-230ドル、#12(精選別したもの)が320-330ドルと、すでに高値水準であった。ただでさえ4月以降、対ドル元の相場が8%ほど元安に振れ、割高感が出ていた。
今後、米国の古紙に25%関税が課されることで、中国の製紙メーカーには原料コストの負担増となる。回避するために、①米国以外の他国から輸入を増やす、②東南アジアから段原紙や再生パルプを輸入する、③中国の国内古紙調達を増やす、という3つの選択肢が考えられる。最大の供給先である米国の古紙がさらに割高感がでれば、市況価格の上昇にもつながるとみられる。
もともと古紙やパルプといった製紙原料に対する関税は、無税が原則であった(製品には2~6%ほどの関税がある)。中国の25%関税措置は、極めて異例ともいえる。背景には、米中間で報復関税の応酬が繰り広げられているためだ。米国は7日、第2弾の対中追加関税を発表していた。中国からの輸入品160億ドル、279品目に25%の追加関税を8月23日から課すという内容だ。7月6日から実施されてきた第1弾と合わせて、輸入総額で計500億ドル分に相当する。
こうした、貿易戦争の影響も相まって、中国は環境規制の一環として古紙の輸入規制を強化する中で、3月以降に品質基準(夾雑物0.5%未満)に満たずに米国品のシップバックが相次ぎ、5月には米国品を一時全面輸入禁止にするなど、米国の古紙が狙い打ちされてきた側面もあった。
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