▼世界的企業に成長したファーストリテイリング、通称ユニクロ。その前身は、山口県の小郡商事という小さな洋服店だった。二代目の柳井正氏は、以前から安いカジュアルウェア店を出店したいと考えていた。三十五歳で社長に就任した一九八四年に、広島市にユニクロ一号店を出店し、瞬く間に消費者の心を掴んだ。
▼十年前に発刊した柳井正氏の著書「一勝九敗(新潮社)」。家業からの脱皮に始まり、挑戦と試行錯誤を経て、ユニクロが急成長を果たした過程が綴られている。このタイトルには、十回挑戦して一回成功すれば良いという意味が込められている。
▼興味深いのが、経営者目線から見た人材育成。以前はイエスマンを好み、経営者の手足として即断即決を武器に会社を急成長させてきたが、ある段階まで行くと自分だけの能力では限界がある。また優秀な人ほど手足でいることに満足せずに辞めていき、人材に対するジレンマが大きくなった。
▼そこで柳井氏はそれまでのワンマン方式を改め、十名ほどの経営チーム方式を採用。「良い会社は、社長が思ったことを実現できにくい会社だ」と考えを改めた。社長の思いつきに対して、違った目線で冷静に対等に意見を言える参謀が必要だという。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]