▼英国のEU離脱を伝える日経新聞は、分析が緻密で幅広く、読み応えがあった。昨年、英有力紙フィナンシャル・タイムズを傘下に収め、連携した取材ができたのだろう。ただし、日系資本による英国企業の買収案件としては、破格の千六百億円もの値だった。今後、英国経済の求心力が弱まれば、とんだ重荷に化け兼ねない。日経の幹部こそ、このニュースを聞いて真っ青になったのではないか。
▼ところで、英国はEU内でドイツに次いで古紙発生の多い国である。年間八百トンを回収するが、リサイクルに関しても独自路線が目立った。シングルストリーム(混載)回収が主流で、そのため品質が悪く、域内でも使用が敬遠されていた。二〇一二年の中国によるグリーン・フェンス(税関における検閲強化)の発動で、ようやく品質改善の兆しがみられたという。
▼英国は多くの古紙を中国やアジア向けに輸出する。回収量に対する輸出比率は五五%だ。輸出量のうち、中国向けが七二%を占めるが、特に大手板紙メーカーの理文造紙が、欧州からの購買に重点を置く。買付商社であるマーク・リンドンが英国から年間約百万トンの段ボール古紙を仕入れて中国で消費する。EU離脱によって貿易バランスがどう変わるか、注視したい。
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