2005年3月21日 オピニオン » 632号

コラム「虎視」 632号

コラム「虎視」

▼ごみを抑制する、再使用する、再生利用するが循環型社会の三本柱だが、この方針に沿って容器包装、家電、建設、食品、自動車の各種リサイクル法が次々に施行された。自動車が最後で今年1月から。01年春に施行された食品リサイクル法は、食品廃棄物を年間100トン以上排出する事業者に対し5年以内に20%の再資源化を義務づけている。来春で猶予期間が終わるので、今後、駆け込みで再資源化に乗り出す事業者が増えてくるとみられている。

▼先鞭を斬ったのが容器包装リサイクル法だった。既報のように今年で10年目を迎えるので見直し作業が進められている。10年も経つと問題点がはっきりしてきた。同法に基づき家庭から排出される各種容器(びん、缶、ペットボトル、紙製並びにプラスチック製)の分別収集に乗り出したことで、行政のコスト負担が増大した。資源化に熱心な自治体ほどコストがかかるが、この法律はコストを補填する仕組みができていない。

▼食品関連事業者から発生する食品廃棄物は1,130万トン。ほぼ同量の生ごみが家庭からも排出されている。食品リサイクル法は前者に網を被せたもので、後者は野放し。消費者にも無駄な廃棄を減らすように呼びかけてはいるけれど、片手落ちの印象はある。

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