2026年10月19日 オピニオン » 1693号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 90年代には日本の古紙回収システムが崩壊の危機に立たされた。製紙メーカーへの着値が新聞7円、段ボール5円、雑誌3円という時代。雑誌の古紙ヤードへの持ち込み価格は逆有償(0円以下)になった。逆有償ということは、回収業者は古紙ヤードに雑誌を持っていけばお金を取られるので、当然ながら回収を放棄する。業者の生き残りや古紙回収システム維持のため、各自治体による行政回収が開始され、集団回収にも助成金が付けられるようになった。

 古布・古着のリサイクルにおいても存続の危機に立たされている。古布・古着のリサイクルは、回収は回収業者や問屋、各自治体等が担うので、回収コストは掛からない。それでも国内での選別コストが賄えず、コスト削減のために海外で選別作業を行う業者が圧倒的に多い。そして選別を行った古布・古着の販売先はおよそ8割が海外向け。国内循環されている物は2割しかなく、需要もそれほど多くない。

このような状況下で、今回取り上げた髙島屋と東谷商店によるスーツ再生プロジェクトは、再利用による価値の創造がテーマである。また東谷商店では再生ウールの生産等、様々なアパレル向けリサイクル素材の開発に取り組んでおり、国内需要増への期待が掛かる。

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