▼日産100トン以上のDIP設備を持つ洋紙大手(一部板紙工場も含む)のDIP生産能力は日産ベースで現在、1万4,000トン強とみられている。つまり年産ベースでは500万トンの脱墨古紙パルプを生産する能力がある。これらの古紙パルプは新聞用紙や塗工紙などに配合されているが、古紙高配合の新聞用紙ブームのきっかけを作ったのはいわき大王製紙。この新聞用紙マシンは97年11月に稼働し、その後、洋紙大手各社にDIP設備投資ラッシュが始まる。ラッシュは2003年春まで続いた。
▼03年春に完成・稼働した王子板紙・釧路(日産200トン)と日本製紙・岩沼(250トン)のDIP設備を最後に、DIP設備投資が一巡し、収束する。収束した原因は①新聞古紙の需給逼迫と価格の上昇②原料コスト高から投資意欲が後退③新聞用紙などの洋紙需要の低迷ーなど。
▼今回、大王製紙の発表によると、日産800トンの大型塗工紙生産設備の導入にともない、DIP設備を二基設置する。ひとつは雑誌専用、ひとつは新聞専用。大王製紙は雑誌専用のDIP設備をMDIPと呼び、残本、色上(糊付き)、回収雑誌をブレンドして古紙パルプを生産してきた。このノウハウを活かして、洋紙向け雑誌利用を拡大する。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]