2024年12月23日 オピニオン » 1604号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 2024年は古紙業界のM&Aが大幅に加速した1年だった。現在の輸出価格は中位安定で推移しているが、今後古紙回収量が増えることは考えにくく、単価が大きく上がらない限り売上増や利益増も考えにくい。

▼業界全体がシュリンクする中で、大手問屋は「回収量・売上を上げるにはM&Aしかない」と活発にグループ化を試み、それ以外の問屋は「これから益々売上が下がり、企業価値も下がる。売るなら今」という考えが拡がり、様々なM&Aの実現やヤード単位での売却が増加した。

▼日本には約1000社2000ヵ所の古紙ヤードがある。単純に古紙回収量を古紙ヤード数で割ると、現在の古紙ヤード1ヵ所当りの扱い量は平均で月721トンになる。しかしここには、生協やスーパーが自前で処理するリサイクルセンター、印刷会社や出版社、集荷・配送センター等に設置しているベーラーは含まれていない。これらを含めると平均扱い量は更に減少し、推定では月650トンほどになる。古紙回収量がピークだった07年の1ヤード当り平均扱い量は月1100トンだったので、ピーク比では41%減。仮に全ヤードが月1100トンを扱うと、ヤード数は1300ヵ所で足り、残りの700ヵ所は過剰設備になる。

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