2024年2月5日 オピニオン » 1560号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 日本の古紙回収量は23年も減少が濃厚なので、10年連続の減少となる。古紙回収量のピークは07年の2332万トンだったが、23年は1730万トン前後の予想で、ピーク時から600万トン減少したことになる。

▼07年のピーク以降は、スマートフォン等の爆発的な普及で電子化が進み、新聞・雑誌の部数が激減。加えて近年はコロナ禍で出版物の減少に拍車が掛かり、更に政府が書類等の電子化を進めていることもあり、古紙発生減に歯止めが利かない。唯一伸びていた段ボールも、インフレによる消費の落ち込みや、包装の簡易化によって、国内消費の減少が続く。

▼しかし日本だけで見ると古紙回収量は減少しているが、世界的には増加している。06年の世界全体の古紙回収量は約2億トンで、古紙回収率は51%。それが15年経った21年の古紙回収量は2億6000万トンとなり、古紙回収率は60%に上昇した。回収量で見ると年平均1.8%の成長率となる。2035年までに世界の段原紙生産は年2~3%の成長が続くと言われており、今後も世界的には古紙回収量が増加する。日本の古紙問屋・廃棄物業者が本格的に世界進出し、日本の技術やノウハウを駆使してグローバルリサイクル企業となるのか、注目したい。

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