▼ある板紙メーカーによると再生紙の偽装問題が発覚して以来、フォローの風が吹いているという。というのは、偽装問題が発覚するまでは100%古紙ものの板紙製品であっても、少しでも斑点があったりすると不良品として返品されるケースがあった。返品とまでいかなくとも、塵が入ったり、印刷インキが残渣で残ると、需要家から苦情が出た。
▼それが偽装問題が発覚してから需要家の態度が変わったという。古紙ものは斑点やら塵が残るのは自然で、必要以上に品質がいいものは逆に疑わしい、パルプものに比べて古紙ものは品質が落ちるのが当たり前という、常識的な評価が戻ってきたというわけだ。古紙ものでありながらパルプものと同等のものを作るにはコストと手間がかかる。古紙配合率の高いものが売れる結果、メーカーは原点を忘れた。使う方も作る方も、偽装問題を契機として原点に立ち返ることができたなら、お互いにハッピーといえるのでないか。
▼古紙再生促進センター調べの1-3月累計の古紙消費動向によると、紙向け消費が107.1%と高い成長率をみせた。偽装問題が発覚したのが2月だから、同問題は洋紙の古紙消費にブレーキにはならず、逆にフォローとなって消費が増える傾向にあるようだ。
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