今号では韓国の大韓製紙(デハンペーパー)を取り上げた。韓国では新聞用紙の生産は3社に集約されているが、その3社とも新聞用紙に限れば不採算事業という位置付けである。部数が激減して疲弊する新聞社、価格が上がらない新聞用紙を生産する製紙メーカー。これに加えて新聞古紙の発生減と価格高騰が苦境に輪をかける。
▼大韓製紙の担当者は、J-ONP(日本の新聞古紙)の調達価格の損益分岐点は工場着値でキロ33円だと話す。そうなると日本の問屋店頭ではキロ28円前後になる。今年のJ-ONP予想価格は、担当者の希望込みでキロ25~28円(問屋店頭)と話していた。ただでさえ不採算事業が更に不採算になるかどうかは、今後の日本の新聞古紙価格次第だという。
▼日本の新聞用紙メーカーの現在の新聞古紙の購入価格は、キロ17~42円と幅広い。輸出比率が高い関東・九州地区の購入価格が最も高い。平均でもキロ30円前後であり、古紙問屋で新聞古紙の扱い量が多いところはかなりの利益が出ている。それもそのはずで、丸1年ほど車間距離がキロ15円ほど取れることは、これまでほとんどなかった。新聞古紙の扱いが月500トンなら、月750万円、年9000万円の純利となる。
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