今年の五輪開催後は、もともと景気落ち込みを懸念する声があった。ところが新型肺炎の感染拡大で、開催そのものが危ぶまれ始めた。6年間をかけて準備に費やした経費は3兆円超。開催による経済波及効果は32兆円で、投資・支出といった直接的だけでも5兆円と言われる。中止によるダメージは計り知れず、開催の可否を手に汗にぎり見守る事態となってきた。
▼もっとも五輪による紙・板紙需要への恩恵は限定的とみられていた。日本製紙連合会の内需予測では、グラフィック用紙の頁増やパッケージ用紙の需要増に言及しつつも、大きな押し上げは期待できないとしていた。2012年にロンドン五輪を開催した英国では、紙・板紙需要が2.8%減少したものの、段原紙や家庭紙の需要は堅調だった。少なくても先進国として同程度の効果は期待できる。
▼感染予防に伴う紙・板紙の特需もあるが、厳しいのは反動減や経済全体での落ち込みだ。今回、需要減がどこまで広がるか、現時点では不透明。これまで市況維持に強気だった製紙メーカー側にも暗雲が漂う。リーマンショック後は、製品価格修正の引き金にもなった。今回も日本経済が揺らぐことで、痛み分けのような対応もあるのか。市況の行方も混沌としている。
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